サイコロ

僕は、人生のあらゆる物事をサイコロで決めている。アインシュタインは「神はサイコロを振らない」と言っていたが、僕は神ではないのでサイコロを振る。
例えば、毎食何を食べるのかはサイコロが決めてくれる。大学受験で受ける大学もサイコロで決めた。付き合う女の子も同じようにサイコロで決めた。要するに、サイコロが僕の人生の支配者なのである。

賢明な読者の皆さんは、ここで僕の主張のおかしさに気がつかれたのではないか。選んだ大学に受かったのは君の実力であるし、その女の子と付き合うことができたのは君の魅力のおかげなのだと。そして第一、サイコロの目に何を割り当てるのかは君が決めているではないかと。

鋭い指摘だ、その通り。僕の人生を決めているのはサイコロではない。僕なのである。