フォルティッシチュー

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「この間、面白いもの見つけてさ」

友人はそう切り出した。

「フォルティッシチューって言うんだけど」

「ふぉる……何だって?」

「シチューだよ。フォルティッシチュー」

またよく分からないものを見つけたな、と笑う。

「演奏記号でフォルティッシモってあるんだよ。より強くって意味合いの」

「うん」

「だから、フォルティッシモとシチューでフォルティッシチュー。強く混ぜるほど、美味しくなるっていう話だったんだけど」

「美味しくなったの?」

「そう、美味しくなった!でね、もっと美味しくしようと思って、全力で強く混ぜたの。演奏記号で言うと、フォルティッシモの最上級でフォルティッシシシシシモ」

「フォルティッシシシシシモ?」

「そう、つまりフォルティッシシシシシチューだな」

「フォルティッシシシシシチュー」

どうだったの?
僕は聞いた。

全力で混ぜすぎて、全部こぼしちゃった。
その他
公開:18/09/06 22:20
更新:18/09/21 00:35
フォルティッシモ シチュー

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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