デッドリフト

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私は、デッドリフトが大好きだ。この種目を辞書的に解説するならば、「床に置いてあるバーベルを持ち上げるトレーニング種目。文字通り死ぬほどつらい。」とでも説明できよう。なぜ好きなのかって。それは、重いものを持ち上げることで、この世界の摂理に挑戦できている気がするからだ。
ある日、私は、MAXの測定に挑戦した。緊張しながら、250kgの重りがセットされたバーに向き合う。リラックスしようと深呼吸をした後、足の位置を決め、バーに手をかける。呼吸を整える。
息を吸って全身の筋肉を連動させてバーを引く。身体中が悲鳴を上げている。だが、バーは浮かない。さらに力を加える。もう大臀筋と腹直筋がつりそうだ。背中はちぎれそうだ。

気がつけば、ジムにいたはずの私は、アマゾンのような大きな川のほとりにいた。ここはどこだろう。
「おめでとう。君は肉体から解放され、時空の旅人となったのじゃ。」
どこからか声がした。
SF
公開:18/09/05 23:42

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