夢を見る

その日、僕は宇宙飛行士になる夢を見た。３、２、１、ロケットが発射し、地球の重力を感じる。宇宙から見る青い地球に言葉も出なかった。
人生は、無限に行われた選択が集積したひとつの可能性に過ぎない。夢というのは、実は今とは別の、ありえたかもしれない人生を体験させてくれるのだ。
朝起きると、僕は希望も目標もない会社員であった。今日も退屈な仕事にため息をつく。子供の頃は宇宙飛行士になりたかったのに、なぜこんな仕事をしているのだろう。
帰りの電車で、疲れて寝てしまった。
すると、僕は再び宇宙飛行士になっていて、紺碧の惑星に降り立っていた。目の前に、ナメクジのような生物が現れる。
「宇宙人だ！これが夢じゃなければなあ」
「その願い叶えよう」
夢の中だというのに急に眠気を感じ、眠りに落ちてしまった。
朝起きると、緑色の太陽からの光が頬を照らしていた。僕は見知らぬ惑星にいた。
夢と現実とが入れ替わったのだ。