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その日は暑い日だった。俺たちはバイクで道の駅を巡る旅をしていた。田舎の国道は走っていて気持ちがいい。俺たちは分岐点でどの道の駅に行こうかなんて話しながら楽しんでた。そんな時だったな。相棒が魚が跳ねてるとか妙なことを言い出した。俺には地平線の逃げ水しか見えなかった。でも相棒は水溜りに魚がいるって聞かないんだ。そのうち、人が溺れてる!って騒ぎ始めた。そんな馬鹿な話あるか?だから俺は相棒を黙らせた。一旦休もうぜ。熱射病になったら大変だってな。相棒は相変わらず青ざめていたが、納得した顔をしていた。だけど、俺が水を飲んでいる間に行っちまった。めんどくさいからほっといたんだ。どうせ戻って来ると思って。でも、あいつの声がした。助けてくれ、溺れるって。国道の地平線の逃げ水から、無数に手が伸びているのが見えた。俺は逃げた。助けて、助けてくれっていう声から逃げたんだ。
先生。あいつの声が、耳から離れないんだ。
先生。あいつの声が、耳から離れないんだ。
ホラー
公開:18/09/05 20:28
更新:18/09/05 21:35
更新:18/09/05 21:35
『誘う逃げ水』
追いかける声
幻想動物見聞録
国道を調査中
400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。
無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。
写真は全て自前でやっています(笑)
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