3D生成&破壊

空前の3Dプリンターブーム。きっかけはA社の3Dペット事業だった。A社から犬猫などの様々な動物の販売データを元に、細胞単位でプリントする超高性能プリンターが発売され大ヒット。クローンは各家庭で造れる時代となった。
A社の勢いは止まらない。次は家庭用ゲノム解析機を発売。生データを元にクローンを造れるようになった。
男は気になるあの娘のクローンを造ることを夢に見たし、女もそうだった。
だが造ったクローンの維持管理は面倒だった。結局処理に困るので、人間のクローンは流行らなかったのだ。
しかしA社は次なる商品を用意していた。
3Dシュレッダーだ。生物の痕跡を一切残すことなく消してしまえる。
私が試作機を試したときには、私の愛人が跡形もなく消えてしまう程に高性能だった。
造ったクローンの処理に悩まされることが無くなるのだ。
これにより、人間クローン市場はこれから急成長する分野と目されているのである。