回転寿死

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回転寿死⋯⋯。
それは、我ら旧タイプの寿死を駆逐する新たな寿死。

「軍艦トマトが来たぞォ!」
我が軍のイクラ艦隊が迎え撃ち、3ミリ砲の一斉射撃を浴びせるも、通常の三倍に及ぶシャリのボディはびくともせず、逆に20ミリプチトマト砲の一撃で、我が艦隊は脆くも撃破された。
手薄になった所をベルトコンベアに乗せたメロン船が大挙し、もはや雌雄は決したかに思われた。
「ああ、もうお終いだぁ」
とその時、疾風の如き速さで、メロン船を次々と駆逐する者がいた。
我らが守護神、軍艦カズノコだ。
「頑張れ、カズノコ!」
軍艦トマトとカズノコの一騎打ち。

巨躯に物を言わせたトマト有利と見るや、どうしてどうして、カズノコの機動力の前にプチトマト砲は虚しく空を切る。小兵ながらもカズノコの卵は小さく硬い。
0.3ミリ砲の連射の前に見る間にボロボロとなり、回転寿死どもは去って行った。
嗚呼、我らの寿死は健在なり──。
SF
公開:18/11/24 23:39
更新:19/06/20 09:19

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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