馬鹿野郎

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「財布に2万しかねぇって、つまり1万は値切るつもりだったわけね。セコいなぁ… でも、おっさん運がいいよ。他の子だったら、ここに男が入ってきて、『俺の女に何してんだよ』とか言われて、あんた服とか現金、全部もっていかれて、裸でポイだよ。ま、私も同じことするんだけどね。
 あ、警察行ったら、ヤバイのあんただから、キミツカさん? ハァ。もうちっと警戒心とか、疑う心? もった方がいいよ。私みたいに優しい子いないからマジで。あ、返事できないんだマジうける。
 スマホ借りるよ。今、遠距離なんだ。なかなか会えないから、つらいんだよ。
2万円プラス半殺しくらいじゃ気晴らしにもなんないよ。
 会社とか、家族とかに、こんな写真見られたくないでしょ? 今度こっちから誘ってやるから遊ぼうよ。友達紹介するからさ。実印とか、持ってきなよ。
 そのうち私らがおっさん世代を支える時代がくるんだろ。感謝しろよな。馬鹿野郎」
その他
公開:18/11/24 18:04

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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