Dear
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「じっと自分の影を見て、瞬きしちゃダメよ、十まで数えたら空を見て」
「いーち、にい、さん、しー、ご、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう!」
何もない青い空に、私と姉の影だけが、白く映っていた。
どうやら、他の人には見えてないようだ。
私と姉の二人だけの知る、秘密の世界に私は夢中になった。
姉は大学進学を機に実家を出て、留学中に知り合った現地の男性と結婚し、そのまま海外で暮らしている。一緒に暮らしていたのは10数年前のことだ。
今はネットで簡単に連絡を取れる。
けど、私には姉の、姉には私の知らない時間が積み重なって、今がある。
言葉を尽くしたところで、上手く伝わらない気がした。
だから久しぶりに影送りをしてみた。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」
映っているのは、昔より大きくなった私の白い影だけ。
けれど、この青空は今も昔も変わらない。
今日は姉の娘が生まれた日だ。
「いーち、にい、さん、しー、ご、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう!」
何もない青い空に、私と姉の影だけが、白く映っていた。
どうやら、他の人には見えてないようだ。
私と姉の二人だけの知る、秘密の世界に私は夢中になった。
姉は大学進学を機に実家を出て、留学中に知り合った現地の男性と結婚し、そのまま海外で暮らしている。一緒に暮らしていたのは10数年前のことだ。
今はネットで簡単に連絡を取れる。
けど、私には姉の、姉には私の知らない時間が積み重なって、今がある。
言葉を尽くしたところで、上手く伝わらない気がした。
だから久しぶりに影送りをしてみた。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」
映っているのは、昔より大きくなった私の白い影だけ。
けれど、この青空は今も昔も変わらない。
今日は姉の娘が生まれた日だ。
その他
公開:18/11/24 15:22
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