嘘がみえるめがね
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大学生の頃、長い夏休みを利用して行った国のノミの市で買っためがねを、僕はそれからずっとかけている。
そして、僕は人づきあいを避けるようになった。
彼女は僕を愛していると嘘をつき、一番の親友だと言っていた彼は、僕が大手企業に就職すると、「自分のことのようにうれしいよ」と嘘をついた。
めがねのおかげで僕は大きな失敗をしないが、大きな喜びを得られなかった。嘘のない人はいないのだ。
ある日曜日、甥が投げたボールが僕のめがねに当たり、いとも簡単に割れてしまった。
「ごめんなさい」
甥は頭を下げた。
「僕が大きくなったらおじちゃんに新しいめがねを買ってあげるから」
甥の目に映る僕が揺れている。
「もう必要ないよ」
僕は甥にというより、僕自身に言っていた。僕まで泣きそうになって上を向く。久しぶりにめがねをかけないで見た空は、もっと泣きたくなるほど青かった。
そして、僕は人づきあいを避けるようになった。
彼女は僕を愛していると嘘をつき、一番の親友だと言っていた彼は、僕が大手企業に就職すると、「自分のことのようにうれしいよ」と嘘をついた。
めがねのおかげで僕は大きな失敗をしないが、大きな喜びを得られなかった。嘘のない人はいないのだ。
ある日曜日、甥が投げたボールが僕のめがねに当たり、いとも簡単に割れてしまった。
「ごめんなさい」
甥は頭を下げた。
「僕が大きくなったらおじちゃんに新しいめがねを買ってあげるから」
甥の目に映る僕が揺れている。
「もう必要ないよ」
僕は甥にというより、僕自身に言っていた。僕まで泣きそうになって上を向く。久しぶりにめがねをかけないで見た空は、もっと泣きたくなるほど青かった。
その他
公開:18/11/25 15:55
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