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「馬鹿野郎!!お前なんかもう俺の息子じゃない。この家から出ていけ」
俺は父にそう怒鳴られ、実家から追い出された。
俺が父に「会社を辞めてお笑い芸人になりたい」と伝えた結果がこんな有様だ。
「今に見ていろ。俺はビッグになって父さんを見返してやる」
俺はそう胸に誓い、東京行の電車に乗った。

あの日から数十年が経過した

俺はそこそこ売れたお笑い芸人になっていた。
そんなある日、父の訃報の手紙が俺の元に届いた。
実家に帰り、父の遺品を整理していると古いファイリングが見つかった。なにやら写真や記事がまとめられていた。
「なんだ。父さんも人の親なんだな。俺の活躍をファイリングしていたのか」
そう思い、捲ってみると俺の記事は一枚も入っていなかった。その代わり、中に貼ってあったのは父さんと若いアイドルが一緒に写ったチェキ写真やチケットだった。
「はぁ~、俺には父さんが何を考えているのか分からないよ。」
公開:18/11/22 15:01

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