たいむらじお

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天才を子供に持つ親の気持ちがわかりますか。
「タイムラジオですか?」
若い研究助手が、私の手元をのぞき込みたずねました。
「はい、娘の発明で、昔の放送電波を受信します」
「なんか凄いんですね」
「古いラジオは、つまみを回すと周波数表の上を線が移動していくでしょう?」
「はい」
「それが年表を想起させ、時間を遡るアイディアになった様です」
「あーなんとなくわかります」
「フフ、ただね、メモリが億年単位なのです」
「なんだ、まさに恐竜の時代まで人類の歴史を塗り替えてしまう発明という訳ですね」
この時、のどかな彼に真実を明かすべきか逡巡した後。
「聞いてみますか?」
「聞けるんですか?」
「娘が聞こえると言い張るので試したのです」
イヤホンを外し、ボリュームを上げ、三角印の再生を押す。
”が…がが…”
やがてスピーカーから漏れてきたのは、幼い子供のかわいい声。
”がおー”
「うちの子、天才です」
SF
公開:18/11/24 02:46
更新:19/05/18 14:18
コンテストに出して問題ないか あらかじめ問い合わせたのに まともに取り合わなかったのは そちらなのですから 後から問題にしないでね

誰か

心楽しい読書になりますように。

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