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人間は、お化けや今まで見たことのない怪物を恐怖と呼ぶ。
生まれながらにもったこの顔を見た者は、なぜか私を怖がり、前述と同じ扱いをするのである。
恐怖とは他人の小馬鹿にするただの罵詈雑言の一種である。
私の顔は通常の人より確かに劣っている。
部位が揃っていない訳ではなく、頬がまるで肩まで垂れ下がり、容姿端麗ではなく、いわば、不細工の括りである。
しかし、他人からそこまで酷く言われる筋はないし、恐怖と呼ばれてしまえば、将来的にこの顔を隠して隠居生活を送るか、それか、現代の技術に乗っかり、顔を細工するかの二択である。
私を生んでくれた親には感謝をしている。
命を授かったからには、重たい現実でも強く受容出来る覚悟がある。
あなたは男の子なんだから、もっと自信を持って生きるのよ。それが、母の教えであった。
私は強く生きたつもりだったが、恐怖と呼ばれる度に命が少しずつ削れ、深い傷を負う。
その他
公開:18/11/24 02:30

神代博志( グスク )









 

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