狼男(The Wolf Man )

18
17

白銀の丘。大小二つの影が落ちていた。

小さい影がゆらいだ。
──月が綺麗だなぁ。

大きな影がふるえた。
──俺は満月の日は頭痛が酷くなるから嫌いだ。

──僕はわくわくするなぁ。月の光を見ると血が騒ぐんだ。

──狼男か。古いな。

──浪漫と云って欲しいな。変身願望は誰にだってあるでしょう?

──まぁ。満月の日は殺人が増えるなんて統計もあるし、お前が落ちつかない気分になるのはわかる。

──そう。僕の内なる狂気が刺激されるのさ。

──狂気ねぇ。最近じゃあ、頭痛や目眩も大潮による微妙な引力差や気圧差によるものだと云われているらしいがな。

──でも狼男に変身する方がカッコいいでしょ?

──はは。そうだな。この頭痛も身体の軋みも狼男様への変身の予兆だ。

──わぁ。ようやく笑った。兄さんを此処へ連れてきて良かったよ。

──ふん。

弟狼の優しさに、兄狼は照れ臭そうに鼻を鳴らした。
ファンタジー
公開:18/11/23 22:56
更新:18/12/30 23:40

椿あやか( 猫町。 )

◆座右の銘《知好楽》
◆SS(紙媒体)で単著が出せるよう、修行中です。
◆文章など、お問合せは下記までお願い申し上げます。
………………………………………………………………………
【椿あやか】(旧PN:AYAKA)
Twitter①:@ayaka_nyaa5
MAIL:nekometubaki★gmail.com(→★を@に変える)
【エブリスタ】
https://estar.jp/_novel_view?w=25326255
………………………………………………………………………
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容