ドラネコ

俺の趣味はエアガンで近所にいる野良猫を撃つことだ。
こいつらと来たら勝手に人の敷地に入り、我が物顔で居座り、庭を荒らす害獣だ。
俺がやっていることはいわば害獣駆除である。
今日も俺は愛用の銃で外を歩く猫のどてっぱらを撃ってやった。
すると猫から「ごおぉぉぉぉん！」と銅鑼を叩くような音がしたのだ。
これは凄い！楽しい！俺は野良猫を何度も撃った。
「何やってんだいバカ息子！」
部屋に入ってきたお袋に頭を叩かれた。
その瞬間、俺からも「ごおぉぉぉぉん！」と音がした。
「仕事もせずに弱い者いじめばかりして！いい加減にしなさい！」
ごおぉぉぉぉん！ごおぉぉぉぉん！と、耳の奥から銅鑼の音が何度も響く。
「まったくこのドラ息子は…」
お袋は肩を怒らせ部屋を出ていった。
しかし俺の耳には何も入ってこない。俺の耳はずっとごおぉぉぉぉん！ごおぉぉぉぉん！と音を鳴らす。
外を歩く猫が俺を見てニヤリと笑った。