職員室で説教、そして没収。

12
8

 僕は、カンニングをしたかどで、職員室に呼び出された。そこは鉄筋コンクリート造で、ガラスのドーム天井になっている。
 噴水があって、椰子の木とか、フェニックスとか、岩を這う蔦植物などが適当に配置されている。その岩場にへばりつくようにして、教頭が剪定鋏をジャキジャキやっているのが見えた。
 ボンネットバスを改造したホットドックの売店や、サラダバーはジェラードの屋台と共に並んでいる。床はワックスを塗りすぎたようにベタベタしていた。
 上には滝がある。そちらには、焼きそばや、烏賊焼き、ラジオ焼きなどの鉄板屋台が目白押しだ。
 椅子とテーブル代わりのみかん箱が、大量に積み重ねてあって、その一つ一つの上に、いちいちサングラスが並んでいた。とにかく足元が、ネチネチとしていた。
 窓の外は、貼り付けたような夕焼けで、たくさんのカラスが一列に並んでいた。そこで日没まで説教をされ、僕の目玉は一つ没収された。
青春
公開:18/11/23 12:16

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容