求めるものは

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暗闇の中、俺は独り家路を急ぐ。
もう誰も待ってはいないと知りながら、それでも足は速度を落としてはくれない。
独り暮らしには似合わない広い家に帰り着く。
真っ暗な玄関で自然に「ただいま」と呟いてしまう。
返事は無機質な冷蔵庫の駆動音。
キッチンで冷凍食品を皿へ移し、電子レンジで温める。
その間にスーツという名の戦闘服から部屋着へと装いを変える。
リビングで深夜番組を眺めながら食事をする。
食後にはビール片手にタバコで一服。
缶が空いたらシャワーを浴びて少し大きなベッドへ飛び込む。
後は眠りに落ちるまでスマホで動画を見るだけだ。
夢の世界では誰かに向かってひたすら謝罪していた。
朝目が醒めると少し枕が濡れている。
ベッドから出て顔を洗い、戦闘服へと身を包み家を出る。
いくつか部屋を通り過ぎ、玄関で「いってきます」と呟く。
無機質な冷蔵庫の駆動音に交じって「いってらっしゃい」と聞こえた気がした。
その他
公開:18/11/21 00:28

のらくら

のらりくらり、のんびりまったり。
ゆるゆる~っと書かせていただくので良ければご一読くださいな。

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