古橋蒼汰の千秋楽
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古橋蒼汰は、トートバッグに洗濯物を詰めるとアパートの階段をかけ降りた。徒歩5分のところにあるコインランドリーに着き、洗濯機に洗濯物を放り込む。いつもなら洗濯が終わるまでの時間を持て余すところだが、今日は違った。
明日、古橋が主演の舞台が千秋楽となる。その舞台挨拶を練習するのだ。
俳優になってからまだ1年。主演は大抜擢だった。明日が無事に終わり、評判となれば。ついつい妄想にふけりそうになる。ぶんっと頭を振って妄想を吹き飛ばし、舞台挨拶の練習に戻る。
ピーピーピー。洗濯が終わった。
最後にもう一度、通しで練習をするか。
古橋は棒読みにならないよう気を付けながら、挨拶を述べる。
「今日は本当にありがとうございました」
言いながらお辞儀をし顔を上げたその時、声がした。見ると、コインランドリーの入り口に大勢の人が集まっていた。
それから1時間、古橋はダメ出しのシャワーを浴び続けた。
明日、古橋が主演の舞台が千秋楽となる。その舞台挨拶を練習するのだ。
俳優になってからまだ1年。主演は大抜擢だった。明日が無事に終わり、評判となれば。ついつい妄想にふけりそうになる。ぶんっと頭を振って妄想を吹き飛ばし、舞台挨拶の練習に戻る。
ピーピーピー。洗濯が終わった。
最後にもう一度、通しで練習をするか。
古橋は棒読みにならないよう気を付けながら、挨拶を述べる。
「今日は本当にありがとうございました」
言いながらお辞儀をし顔を上げたその時、声がした。見ると、コインランドリーの入り口に大勢の人が集まっていた。
それから1時間、古橋はダメ出しのシャワーを浴び続けた。
その他
公開:18/11/18 21:57
スクー
コインランドリーの舞台挨拶
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