太郎の遠吠え

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番犬、太郎がある日人間になっていた。生まれたままの姿で首輪をかけられていた太郎にとりあえず、服を着せてあげた。しかし、見た目は人でも中身は番犬。番犬・太郎は頑として犬小屋から出てはこなかった。
「入っておいでよ、側から見たら変態だよ」
「変態でござらん。拙者は番犬でござる」
何故か武士口調の太郎。そこに幼馴染の花子がやってきた。
「うわ!なにこれ何プレイ?ちょーウケんだけど!」
スマホのカメラが連写で起動する音を聞いて太郎は怒った。
「やい小娘、無礼者!そのピカピカをやめ」
「しゃべったあ!なんで武士ww」
「ちょ、光を放つな!こわ」
「アハハハハ!」
「ご主人、ごしゅじーん!!」
「くっつくな!」
花子が居間に上がった後も太郎は庭の窓から逃げ腰ながらも中を伺い、歯茎を見せて唸り声をあげていた。
「困ったなあ」
「そう?かわいいよ」
その後、花子が太郎と付き合いだすとは夢にも思わなかった。
ファンタジー
公開:18/11/18 21:01
ツイッターで諺を作る 太郎の遠吠え ただの変態で少し心配

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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