家族ニット

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我が家には本当に何かが起きた時だけ着ていいと言われているニットがある。
先祖代々、亡くなったら髪や繊維をこのニットに編みこませているという。
そのニットは魔除けのように家に飾られている。

ある日、私が1人で留守番をしていたら玄関が開き、知らない男の人が入ってきた。手にはナイフを持っている。目が合った瞬間、殺されると思った私はあのニットのことを思い出した。
一目散にニットのある場所へ走りニットを着た。
振り返るとその男が立っていてやっぱり殺されると思った。男は勢いよくナイフを私の胸に刺した。
だが、ナイフはニットに刺さらず飲み込むようにしてバラバラになった。
会ったことのないご先祖様全てに包まれて私は守られていた。幸せを感じ涙が出た。

いつか私の両親も私もこのニットの一部になる日が来る。

会うことのできない未来の人達を守れると思うと私はニットになるのが楽しみだ。
その他
公開:18/11/19 21:39

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