ふるえる星

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ほろ酔い気分で帰った私はベランダで風に当たって、それなのに飲み直しをしてた。もう15分もすれば日付が変わる。手すりによりかかり、夜を仰ぐ。何気なく、知ってる星座を探そうとしてしまう。その時初めて気づいた。夜空の星々はふるえていた。

酔いの回った頭で、星も寒いのかなと検討外れなことを思った。だけどもっと検討外れなことが起こった。

空いっぱいの星は、一斉にふるえながら闇に光を撒き始めた。まるで映像を見ている様だった。光は地上に降る前にほとんどが消えてしまった。けど一粒だけ、私の前に落ちてきた。慌てて両手で受け止めると、それは大きくなって、両手で持って顔が隠れるくらいの大きさになった。

「おっと」思わず声に出してそれを掴む。それは指先を温めるほどの温もりで、ほわんとした光を放ち、顔を埋めると気持ち良かった。

星の枕を抱いて、その夜は熟睡した。その間1度、星のシャワーを浴びる夢を見た。
公開:18/11/17 22:05
更新:18/11/18 18:43

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。

104.がおー

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