鬼に風月堂

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可哀想に、村人は怯えていた。そりゃあそうだ、これだけの鬼たちが村に押し寄せてきたのだ。何をどうしたらいいのかもわからないだろう。
「オマエらぁ、図が高ぇぞ!」
「この方が目に入らないかぁ!」
鬼たちが担ぐ神輿の上にはこの私、風月堂。なんでこんなことになっているのかよくわからない。発端は軽い気持ちで諺なんか作ったからだチクショウ。私は自分の立ち位置がまるでわからなかった。
「俺たち鬼に風月堂が加われば敵なしよ!でしょ?風月堂様!」
知らん。本当に勘弁してください。こんなネタしか思いつかなくてごめんなさい。
「お、お助けください!せめて子どもたちの命だけは」
「いや、あの、別になんにも取りませんから……」
「おい、聞いたか!テメェらこの村に手出しするんじゃねえぞ!」
鬼たちは何をするわけでもなく村を後にした。私は神輿に担がれたままだ。
桃太郎、金太郎、鬼太郎、お願い誰でもいいから助けにきて。
ファンタジー
公開:18/11/18 20:34
ツイッターで諺を作る 鬼に風月堂

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz

『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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