塵も積もれば獏太郎

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魔法使いの弟子の日課に、毎日の大掃除は欠かせない。なんてったって師匠は研究ばかりで、放っておいたら失敗作のスライムまみれでも気にしない。とくにこのスライムは塵芥が大好きで、食べるとどんどん増えていく。「掃除が楽でいいだろう」?冗談じゃない!足の踏み場もないし、糞や死骸を処理するのは僕なんだ!
「こうなったら奴を呼ぼう」
僕は唯一喚び出せる召喚魔法を唱えた。
「ユメミテ爆散!いでよ獏太郎!」
魔法陣から豚のようなお尻の、象みたいな顔した獏が現れた。獏太郎は眠たそうな目つきでスライムをばくばくと食べ始めた。その間に僕は窓を開けて換気をし、外に埃を掃き出した。
獏太郎はなんでも食べてくれるけど、食べたものは契約者の夢に出る。その日僕は覚悟を決めて床に着いた。
その日の夢は、スライムで出来たテーブルの上でお茶会だ。師匠のおやつも取り込んだらしい。スライムベッドは気持ちよく、最高の夢見気分だった。
ファンタジー
公開:18/11/16 17:46
ツイッターから諺を作る 塵も積もれば獏太郎 動物のバクが、とてもかわいい

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz

『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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