あきかん
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深夜。路地裏を歩いていると、前方から肌がピリピリと震えるような威圧感に襲われた。その場に立ち止まり、目をこらす。
なにか、いる。
一瞬、大きく見えたそれは、ただの空き缶だった。なんだ、と胸を撫で下ろす。驚かせやがって。ふつっと怒りが込み上げた俺は、その空き缶を思いきり蹴り飛ばした。
パッシューーン!!
耳につんざくスパーク音と共に、蹴った空き缶が破裂した。そして、もうもうと立ち込める黒い靄に視界が塞がれる。呆然と立ちすくんでいる間に、黒い靄に全身を包み込まれてしまった。
自身の体を見る。細かい漆黒の物体がびっしり纏わり付いていた。体がギシギシ強張っていく。
漆黒の物体は「ポイ捨てあっかん! ポイ捨てあっかん!」とカンカンに怒っている。捨てたのは俺じゃない。だが、このままでは……。
「ごめんなさい! 二度とポイ捨てしません!」
咄嗟に謝った。
漆黒の物体はあっけらかんと、消えた。
なにか、いる。
一瞬、大きく見えたそれは、ただの空き缶だった。なんだ、と胸を撫で下ろす。驚かせやがって。ふつっと怒りが込み上げた俺は、その空き缶を思いきり蹴り飛ばした。
パッシューーン!!
耳につんざくスパーク音と共に、蹴った空き缶が破裂した。そして、もうもうと立ち込める黒い靄に視界が塞がれる。呆然と立ちすくんでいる間に、黒い靄に全身を包み込まれてしまった。
自身の体を見る。細かい漆黒の物体がびっしり纏わり付いていた。体がギシギシ強張っていく。
漆黒の物体は「ポイ捨てあっかん! ポイ捨てあっかん!」とカンカンに怒っている。捨てたのは俺じゃない。だが、このままでは……。
「ごめんなさい! 二度とポイ捨てしません!」
咄嗟に謝った。
漆黒の物体はあっけらかんと、消えた。
ホラー
公開:18/11/16 23:55
更新:18/11/17 00:01
更新:18/11/17 00:01
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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