虚の空

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誰もが一度、空を飛んでみたいと思ったことであろう。
鳥のように羽ばたかせ、虫のように素早く飛び回りたいと・・・
残念ながら、人間には生まれつき背中に羽がなく、肩甲骨には適度な筋力がついているだけであった。
自由に空を飛び回りたいと思っても、運命の悪戯がそれを制止するのであった。
空を飛びたいと諦めきれなかった人間は、ライト兄弟のように飛行機の発明をはじめ、それは悔しくも、人間には一生羽が生えないことを示唆するものであった。
いずれ人間の骨が何らかの最新技術の成果で羽に変わり、無限思想を褒め称える日が来るとしたら、人間は空を飛び、変化のない街を見下ろし、決して着地したくないと考えるのだろう。
ただ、景観しながら・・・
ただ、目を閉じながら・・・
空を飛ぶ日が来るまで、僕は、私は、あなたは、それは・・・
虚に祈りを捧げる。
その他
公開:18/11/16 22:52

神代博志( グスク )









 

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