亀田君の秘密

8
7

同僚の亀田君はのんびり屋で
マイペースだが仕事は
コツコツと進めるし
いつもニコニコと笑っていて
社内では彼はムードメーカーとして
愛されている


毎年出来るなら南方の僻地に
出向したいと志願するし

真夏でも背広を絶対に脱がない
ちょっと変わり者でもある

ある日の昼食に
亀田君の馴染みの店に入ることにした
外観はお世辞にも良いとは言えず
客は僕等以外に見当たらない
「ここね刺身は鮮度も良いし値段もリーズナブルなんだよ」
食事を終えたあとお茶を飲みながら
僕はこう呟いた

「僕も亀田君みたいになりたいな」
すると彼は
「何を言うんだ君の方が
何倍も羨ましいよ」
店から出て工事現場の前を
通ると資材を吊り下げたクレーンが
バランスを崩し亀田君の頭上へ

危ないと叫んだ

なんてこった彼の頭部が無い

次の瞬間 「ふう 間一髪だった」
そういうと亀田君はニョキッと長い首を出した
その他
公開:18/11/16 22:33
更新:18/11/16 23:42

春星( 神奈川県 )

春星と申します

自宅では一児の親
職場では会社員

そして通勤電車の中では
自称ショートショート作家に
大変身‼︎

長い冬眠から目が覚め
久々に復帰しました
また皆様宜しくお願い致します!

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容