人形の秘密

ある科学者が人工知能の人形を作った。
その噂はまたたくまに街中に広がった。
民衆は科学者に聞いた。
「この人形はどれだけすごいのですか」
科学者はこう答えた。
「では、チェスで勝負して見ますか」
民衆は我こそはと次々に人形に挑戦した。
「チェックメイト。あなたの負けです」
男はがっくりし、頭を抱えた。
科学者は自慢げに言った。
「どうです。人工知能はすばらしいでしょう。」
民衆はどよめいた。
さっき、人形に挑戦し、負けたのはチェスのプロ棋士だったからだ。
怒りに狂ったチェスのプロ棋士は科学者にこう主張した。
「こんなのイカサマだ」
だが、科学者は笑顔でこう返した。
「あなたはイカサマだと仰いますが、あなたは世界で一番強い棋士ですよね」
「確かにそうだが・・・どこか納得がいかない。俺以上に強い奴がいるなんて。だが、認めよう。」
棋士は人形の肩をポンと叩いた。
すると肩の部品が外れ、人間が