君に降る星の名を（後編）

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「……流れ星」
「今から明日の朝７時。今年のピークだって」
しし座流星群。私の誕生月の星座。
「流星群って程、多くないけど。１時間５個かな」
肩に毛布が掛かる。
魔法瓶のコーヒー。使い捨てカイロ。ひざ掛け。

『昨日、私の誕生日』
『忘れてた。悪い』

「憶えててくれた？」
「丁度週末だったし。天気だけ心配で……お、連続」

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毛布で頬を拭う。
後部座席に、星の本と地図。
「うわ！」
「え？」
「今落ちた。ほら」
１０メートル前、ススキの根元で光る　…⊛
「……嘘」
同時に走り、私が一歩先に着く。
拾い上げた『流れ星』に、１０秒前の受信履歴。
開くと流れる『ハッピーバースデー』
「来年も来よう、ミレ」
返事にならず、黙って頷く。
助手席の手編みマフラーを、後で巻いてあげよう。
（誕生日おめでとう、トキ君）

初雪が一片、空に舞った――＊．