君に降る星の名を(前編)

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「今夜、空いてる?」
(また始まった)
トキ君の気まぐれは毎度の事。胸で溜め息を吐くが、黙って付き合う。
彼はサプライズが好きだ。それが私の好みと合うかは別問題だけど。

2018年11月17日(土)18:00
「よし、条件クリア!急いで」
助手席に乗せられ、半強制ドライブ開始。
「どこ行くの?」
「着いてのお楽しみ」
目的地も明かされず、不安と腹立たしさが半々。
車はどんどん市街地から離れて行く。
(誕生日、何もくれなかった)
8月のしし座生まれ。教えておいたのに。
翌日けろっと『忘れてた』って。
私は欠かさずあげてるのに。紙袋を握り締めた。

「着いた、降りて」
約1時間後。到着地点は一面ススキ畑。
頭上に広がる夜空。月も街灯もない原っぱに、ぽつんと二人。
「寒い!」
コートを掻き合わせる。スカートの足に凩が吹く。
「ねぇ!こんな所で、」
「見て。上」
(……あ)

  \
    ↘
青春
公開:18/11/17 18:00
更新:20/07/08 00:00
勝手なサプライズ☆

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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