水溜りに青。

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二限目の終わり。
校庭には、小さな水溜り。

階段を駆け下り、校庭へ。
グニャリという土の音。足取りは重く、左足の靴紐は解けていた。真新しい靴には、斑模様のアクセント。
それでも、僕は走り続けた。


水溜りに辿り着くと、水溜りは陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。
水溜りを覗き込む。
すると…。
青を揺らす、魚がいっぴき。
水溜りは、深い海だった。

ポケットには、校則違反の星型キャンディ。キャンディを掴み、海の底に投げ入れようとする。
でも、小石に当たって砕け…夜空を照らす星のように煌めいた。


校舎に響く、始業開始5分前のチャイム。僕は、校舎へ戻ろうと走り出す。

少し行って振り返る。すると、そこにあるのは…ただの水溜りで、青空を映しているだけだった。幻だったのだろうか…。


しかし、下駄箱で気づく。
靴紐が青に染まっていたことに。
青春
公開:18/11/15 14:15
更新:19/04/28 17:12
水溜り 中学生の時に はじめて書いたお話

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人1年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



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