種を磨く

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創造主たちの街に呼ばれた。これから私は自分の世界を作る神になる。
私の親分にあたる一柱の神がいびつな物体を蹴飛ばして、私の目の前にそれがゴロンと転がった。
種だ。ところどころ盛り上がり、へこみ、一部は茶色く、赤く、そして一部分は空のように青い。これは世界の種だ。
使い古され、傷つき、一度は誰かがこいつを土台に世界を育てたものの、その後で身ぐるみ剥がされ、くたびれはてた世界の種だ。
両腕で抱え込み撫でてやる。逆剥けになった皮やこびり付いた汚れに触れる。小刀を当てて、余計な物を削り落とす。最後は水を含んだ布で拭いてやる。

これから、お前がわたしの世界の種だよ。
残酷な神々の中で、お前とわたしで生き残るよ。
ファンタジー
公開:18/11/12 20:45
更新:18/12/16 20:45

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