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夏祭りの夜。夜店で賑わう境内で、偶然祖母を見つけた。祖母は男性と手を繋いで楽しそうに歩いていた。
誰だろう?
祖父が亡くなって随分経つから、彼氏がいてもおかしくはないんだけど…。
友達に「ごめん」と声をかけて、私は祖母を尾行した。一緒にいる男性は背が高くて、紺色の着物を着ている。どこかで見た事ある気がした。
しかし、私はすぐに二人を見失ってしまい、友達の元に戻った。花火が終わって家に帰ると、祖母も帰ってきていた。
「おばあちゃん、さっき一緒にいた人、誰?」
祖母はニコニコとした顔で何も答えなかった。ふと、祖母の後ろに飾られている人形に目が止まった。祖父と顔が似ているからと、祖母が大事にしている人形だ。
背が高くて紺色の着物。人形の草履には、まるで、さっきまで境内を歩いていたように泥がついていた。
まさか…。
驚く私に、祖母はくしゃりと顔を綻ばせて、「内緒よ」と人差し指を口元に当てた。
誰だろう?
祖父が亡くなって随分経つから、彼氏がいてもおかしくはないんだけど…。
友達に「ごめん」と声をかけて、私は祖母を尾行した。一緒にいる男性は背が高くて、紺色の着物を着ている。どこかで見た事ある気がした。
しかし、私はすぐに二人を見失ってしまい、友達の元に戻った。花火が終わって家に帰ると、祖母も帰ってきていた。
「おばあちゃん、さっき一緒にいた人、誰?」
祖母はニコニコとした顔で何も答えなかった。ふと、祖母の後ろに飾られている人形に目が止まった。祖父と顔が似ているからと、祖母が大事にしている人形だ。
背が高くて紺色の着物。人形の草履には、まるで、さっきまで境内を歩いていたように泥がついていた。
まさか…。
驚く私に、祖母はくしゃりと顔を綻ばせて、「内緒よ」と人差し指を口元に当てた。
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公開:18/11/12 19:01
更新:18/11/15 00:17
更新:18/11/15 00:17
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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