何もないから、家族。

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私の家族は父、母、姉、私、の4人家族だった。父の名は「勝之」と言い、みんなからは「かーちゃん」と呼ばれていた。姉は「陶子」という名前なので「とーちゃん」母は「虹絵」というので「にーちゃん」私は「寧々」なので「ねーちゃん」だった。

かーちゃんが、とーちゃんで、とーちゃんがねーちゃん、かーちゃんはにーちゃんで、ねーちゃんは私なのである。

かーちゃんは世話焼きの大工仕事が得意なとーちゃんで、にーちゃんは煮物が上手な優しいかーちゃんで、とーちゃんはいじめっ子から私をいつも庇ってくれる強いねーちゃんで、ねーちゃんと呼ばれる私はとても幸せだった。

誰かが家に遊びにきた時はいつもみんなの顔が「?」になるけど、最後には結局「なんでもいい」になる。丸くする前のこねてるだけのハンバーグのタネみたくぶやぶやっとしていて、でも正しい。

「かーちゃん」「にーちゃん」と書かれた両親の写真が、とても愛おしい。
その他
公開:18/11/14 13:13

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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