市場
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私は世界の創造主となり、神々の街の一画に居を構えている。
しばらく自宅で過ごしていたが、街へ出てここがどんな所なのか歩いてみることにした。
賑わいを追って歩みを進めると市場に出た。行き交う者の肩がぶつかるような、騒々しいまでに繁盛した市場だ。食べ物や果物、置物、家具、衣類、見たことの無い物が所狭しと並べられている。どれも、何れかの神が育てる世界で採れたものだろう。
喉が渇いて、果実酒を並べた店に並んだ。
「あんた見ない顔だね。新人だね」
「緑の飲み物を一杯くれ。お代はこれだ」
私が差し出した若葉を店主は手に取り、光に当ててすかしたり、揉んだりして確かめていた。
「こりゃいい葉だ。こいつを育てたとは大した腕だ。旨い汁がしぼれるわ。あんた、うちにこの葉をまとめて売らないか。いい値で買うぞ」
「あぁ、いいさ」
いやらしい、と内心で軽蔑していた。世界を売り買いするなぞ、神ではなく魔物だ。
しばらく自宅で過ごしていたが、街へ出てここがどんな所なのか歩いてみることにした。
賑わいを追って歩みを進めると市場に出た。行き交う者の肩がぶつかるような、騒々しいまでに繁盛した市場だ。食べ物や果物、置物、家具、衣類、見たことの無い物が所狭しと並べられている。どれも、何れかの神が育てる世界で採れたものだろう。
喉が渇いて、果実酒を並べた店に並んだ。
「あんた見ない顔だね。新人だね」
「緑の飲み物を一杯くれ。お代はこれだ」
私が差し出した若葉を店主は手に取り、光に当ててすかしたり、揉んだりして確かめていた。
「こりゃいい葉だ。こいつを育てたとは大した腕だ。旨い汁がしぼれるわ。あんた、うちにこの葉をまとめて売らないか。いい値で買うぞ」
「あぁ、いいさ」
いやらしい、と内心で軽蔑していた。世界を売り買いするなぞ、神ではなく魔物だ。
公開:18/11/13 20:27
更新:18/11/17 16:31
更新:18/11/17 16:31
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