10
10
一月程前、妻が不気味な人形を買ってきた。左右非対称の邪悪な微笑み。玄関に飾るのは嫌だったが、妻が気に入ってるなら仕方が無い。思えば、妻の様子がおかしくなったのはその頃からだった。一人の時に、ニシシシと奇妙な笑い声をあげるようになった。喧嘩は今までにも沢山あったが、激昂して声を荒げるようになった。そんな妻に私の心身は疲弊していた。
事故にあったと連絡を受け病院に駆けつけた時には、妻は既に息をしていなかった。
あれは呪いの人形だ。処分しなければ。
私は妻を火葬する時、棺桶にあの人形を入れた。人形から手を離した時、人形が私を見てニシシシと笑った気がした。私は逃げるように棺桶から離れた。
妻の遺体が焼かれる間、私は魂が抜けたように椅子に座り込んでいた。
「パパ…」
娘の声に顔を上げて私は絶句する。「お前、それ…」
「あのね、お人形さんが私と遊びたいって」
娘に抱かれた人形の顔が歪んだ。
ニシシシ…
事故にあったと連絡を受け病院に駆けつけた時には、妻は既に息をしていなかった。
あれは呪いの人形だ。処分しなければ。
私は妻を火葬する時、棺桶にあの人形を入れた。人形から手を離した時、人形が私を見てニシシシと笑った気がした。私は逃げるように棺桶から離れた。
妻の遺体が焼かれる間、私は魂が抜けたように椅子に座り込んでいた。
「パパ…」
娘の声に顔を上げて私は絶句する。「お前、それ…」
「あのね、お人形さんが私と遊びたいって」
娘に抱かれた人形の顔が歪んだ。
ニシシシ…
ホラー
公開:18/11/09 23:02
怖い人形で検索なんて
するんじゃなかった…。
書いて除霊。
次は笑える話にしたい…。
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
ログインするとコメントを投稿できます