人形の秘密

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ある夜、一匹の海月が海の中を散歩していた。
まあ、散歩と言っても大地に足が付いていないので行く先は波任せ。どこに到着するかは誰にもわかりません。
プカプカ、プカプカ
海月は揺り籠の様に波に揺られ海を漂流しているうちにうっかり眠ってしまいました。
「おや、ここはどこだろう。」
海月が目を覚ますとそこは沖の人魚島でした。
「うわぁ、綺麗な人魚だなぁ。私もあんなに綺麗な姿になりたいなぁ」

海月は村に帰るとすぐに長老にお願いしました。
「私の体を人魚に変えて下さい」
それを聞いた長老は海月に聞きました。
「何でそんな物になりたいのだ」
それに対し、海月はこう言った。
「私は綺麗になりたいのです」
「そうか。お前がそこまで言うなら願いを叶えてやろう。この秘薬を飲みなさい」
海月は大喜びで長老から貰った薬をゴクッと飲みました。

数時間後、海の上にはまだ新品の綺麗な人形が浮かんでいたそうです。
公開:18/11/12 17:05

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