こけるなよ
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昔から変なものに憑かれていた。
そいつはいつも俺の左肩に乗っている。そして、いつも俺に「こけるなよ」って言ってきた。
だから俺は「こけるくん」と勝手に呼んでいた。
こけるくんが「こけるなよ」というのは、だいたい俺が石につまずきそうな時や段差につまずきそうになる時だった。
結構大きな声で言うもんだから、最初の方こそびっくりして飛び上がったりしたもんだが、もはや慣れてしまった。
「こけるなよ」と言ってくる以外は特になにも言うことは無く、もぞもぞしていたり寝ていたりしている。俺は少し愛着が湧いていたのだ。
その日、俺はある場所に向かっていた。そこに着いた時、こけるくんがけたたましく叫んだ。
「こけた!!こけた!!」
俺はびっくりした。今まで「こけるなよ」としか言わなかったのに。
そして、俺は目を見開いた。
志望校の合格者発表には、俺の名前はなかった。
そいつはいつも俺の左肩に乗っている。そして、いつも俺に「こけるなよ」って言ってきた。
だから俺は「こけるくん」と勝手に呼んでいた。
こけるくんが「こけるなよ」というのは、だいたい俺が石につまずきそうな時や段差につまずきそうになる時だった。
結構大きな声で言うもんだから、最初の方こそびっくりして飛び上がったりしたもんだが、もはや慣れてしまった。
「こけるなよ」と言ってくる以外は特になにも言うことは無く、もぞもぞしていたり寝ていたりしている。俺は少し愛着が湧いていたのだ。
その日、俺はある場所に向かっていた。そこに着いた時、こけるくんがけたたましく叫んだ。
「こけた!!こけた!!」
俺はびっくりした。今まで「こけるなよ」としか言わなかったのに。
そして、俺は目を見開いた。
志望校の合格者発表には、俺の名前はなかった。
ホラー
公開:18/11/12 12:52
お初にお目にかかります。中埜寛(なかのひろ)と申します。
気が向いたときに気の向くままに書く予定です。
どうぞよろしくお願いします。
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