エンモタケナワ

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社内の忘年会は盛り上がりのピークを過ぎて、そろそろお開きかという雰囲気を醸し出していた。
「えー、それでは宴もタケナワではございますがー」
幹事である私の声に、皆がほっとした顔を見せた。と、その時、ピーッと笛の音が鳴り響き、どこからともなく、全身青い服の男が現れた。
「タケナワとは何か、あなたはご存知ですか?」
私はポカンとした顔で首を横に振った。
「竹縄とは火縄銃で使われていた縄の事。つまり、いつ銃が発射されるかわからない、ドキドキがMAXな状態の事を言うんです」
男の言葉に、皆が「なるほど」と頷いた。しかしその時、再びピーっと笛が鳴って、今度は全身赤い服の男が現れた。
「いいえ違います。タケナワとは酒が甘いと書いて酣。お酒が醗酵して飲み頃の状態。今が最高潮という意味なんです」
再び皆が「なるほど」と頷いた。
「「さあ、どっち!」」
クイズの答えよりも気になる事がある。

こいつら誰だ?
その他
公開:18/11/11 16:51
更新:18/11/12 19:07
正解は酣

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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