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突然のことだった。
歩道を歩いていたら、右から大きなトラック。
多分、即死。
病院に呼ばれた両親は、僕と同じように状況が理解できていなさそうな呆けた顔で、僕の身体が寝ている霊安室へと向かう。僕はその後ろを黙ってついて歩いた。
「まさかあの子まで……私もう……」
ぐちゃぐちゃの涙声で、母さんが言う。
そんな母さんを支える父さんの目にも、涙が見えた。
わざと死んだわけじゃない。
だけど、こんな二人を見ると、罪悪感でいっぱいになる。
二人と同じくらい消沈する僕をよそに、無情にも霊安室の扉が開けられた。
同時に、いくつかの破裂音が鼓膜を揺らした。
パンッパン、パンッ!!
『学、命日おめでと~~~!!!』
横たわる僕の身体の上ではくす玉が割られ、目の前にはクラッカーの紙テープ。
その周りには、死んだじいちゃんばあちゃんと姉ちゃん。
三人は僕を取り囲むと、ハッピー命日の歌の合唱を始めた。
歩道を歩いていたら、右から大きなトラック。
多分、即死。
病院に呼ばれた両親は、僕と同じように状況が理解できていなさそうな呆けた顔で、僕の身体が寝ている霊安室へと向かう。僕はその後ろを黙ってついて歩いた。
「まさかあの子まで……私もう……」
ぐちゃぐちゃの涙声で、母さんが言う。
そんな母さんを支える父さんの目にも、涙が見えた。
わざと死んだわけじゃない。
だけど、こんな二人を見ると、罪悪感でいっぱいになる。
二人と同じくらい消沈する僕をよそに、無情にも霊安室の扉が開けられた。
同時に、いくつかの破裂音が鼓膜を揺らした。
パンッパン、パンッ!!
『学、命日おめでと~~~!!!』
横たわる僕の身体の上ではくす玉が割られ、目の前にはクラッカーの紙テープ。
その周りには、死んだじいちゃんばあちゃんと姉ちゃん。
三人は僕を取り囲むと、ハッピー命日の歌の合唱を始めた。
その他
公開:18/11/08 23:49
スクー
やたら声が大きい霊安室
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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