ドン・キホーテで買った月

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「月旅行してみませんか」とバニーガールのコスプレをした女性に話しかけられた。
僕は言われるがまま、980円を支払った。宇宙服を着て、駐車場の隅に置かれていた小さなロケットに乗る。
飛行機で離陸する時のような上から押さえつけられたような圧迫感。
思わず目をつぶった。

轟音と共に下から突き上げるような衝撃。
「着いた」と直感し、目を開ける。
あたり一帯に広がる星空。
今なら手で掴めそうな気がした。
青と白のマーブル模様の球体がみえた。
地球に向かって歩き出そうとしたら、ロケットの扉が閉まり…。

「旅行だなんてサギだ。1歩も歩けなかった」と女性に食ってかかった。
「本来頂く料金の数千万分の1にも満たないお金しか頂いておりませんので。お試しです」とにべもなく言う。
「追加料金をお支払い頂かないと、帰還できないようにすればよかったですかね?」
SF
公開:18/11/08 23:49
スクー

富田京子

400文字に収めることと、思いついたアイデアを形にするむずかしさに苦戦しております。
くすりと笑って頂けたら、幸いです。
よろしくお願いいたします。

2番目の月がお気に入りです。

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