通報

「はい。○○市消防局です。火事ですか？救急ですか？」
救急センターの電話に出る。
「痒いところありませんか？」
優しい女性の声が聞こえてくる。電話が混線してしまったのかと、電話の確認をする。住所は空き店舗で美容室とは記されてない。あっ機械が壊れたのだろうと施設管理部に内線を入れようと思った時だった。
「きゃー！」
バタバタ 悲鳴が店から流れる。
「おまえは私だけを触れよう、人を触るなよぅ」
ねちっこい声をした男が先程の優しい女性に言い寄っている。
「やめなさい！速やかに彼女から離れなさいっ！」
あちらには聞こえてないようだ。無線で警察に通報した。
「至急！至急！○○市○蔵3-5-○で男の押し入りあり。至急現着されたい」
「○警察より○○市消防局。マルタイ(※犯人)の身柄確保済、マル5案件、以上○警察」
なんだって。。
マル5は特殊案件。
殺害された人からの怨念が残るあの世からの電話である。