「くり」

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太陽のソルくんと月のルナちゃんは大の仲良し。
赤の他人だけど、顔がそっくり。
ソルくんの顔はむっくりしている。
ルナちゃんの顔はぷっくりしている。
二人とも動作はゆっくりだ。
とにかく二人は似た者同士で、しっくりきている。
「ソルくん、へそくりしているでしょ?」
突然そう言われて、ごくりと唾をのむ。
「あ、ぎっくりしたね? 図星なんだー」
バレたかと、ソルくんはがっくり肩を落とす。
ルナちゃんがくりくりした瞳を潤ませ言った。
「ゴメンね。ソルくんが大事にしていたとっくり、落しちゃったの」
確かにぱっくり割れていた。
「これが隠し場所がバレた、からくりか。まぁ、隠し事していたのは僕だし文句は言えないね」
「じゃあ、お詫びに『くり』拾ってきてよ」
「くり?」
「そう……」ルナちゃんはこっくり頷き、こう言った。
「この物語の中にいっぱいあるでしょ?」
ソルくんはびっくりして、ひっくり返っていた。
その他
公開:18/11/08 22:50
月に代わって栗拾い スクー おまけ① 今回一番最初に書いていたやつ

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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