家族なんだ
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この春、私は結婚した。裕之は次男で実家が田舎にあり、両親との同居はないというのも決め手だった。
初めて裕之のご両親と会った時、気さくな人だなと思った
「家族になるんだから」
お義母さんは言った。
「ねえ、裕之の家族も家族ってことになるの?」
「そうじゃない?広い意味では」
結婚してすぐ、裕之の両親がいきなり、徒歩十数分の場所に越してきた。
「家族になったんだから」
お義母さんは言った。
「こんな側にいきなり越して来るなんて!」
私は憤り、裕之は曖昧に笑う。
それから両親は毎日のように訪ねてくるようになった。
「家族なんだから」
お義母さんは言った。
「裕之、お義母さんに言ってよ!毎日だよ。気が狂いそう」
そんなある日、裕之の両親が、事故であっけなく亡くなった。私は正直ホッとしたのだが。
それから毎晩のように、寝室の壁をすり抜けて義母と義父が現れる。
「だって、家族なんだもの」
初めて裕之のご両親と会った時、気さくな人だなと思った
「家族になるんだから」
お義母さんは言った。
「ねえ、裕之の家族も家族ってことになるの?」
「そうじゃない?広い意味では」
結婚してすぐ、裕之の両親がいきなり、徒歩十数分の場所に越してきた。
「家族になったんだから」
お義母さんは言った。
「こんな側にいきなり越して来るなんて!」
私は憤り、裕之は曖昧に笑う。
それから両親は毎日のように訪ねてくるようになった。
「家族なんだから」
お義母さんは言った。
「裕之、お義母さんに言ってよ!毎日だよ。気が狂いそう」
そんなある日、裕之の両親が、事故であっけなく亡くなった。私は正直ホッとしたのだが。
それから毎晩のように、寝室の壁をすり抜けて義母と義父が現れる。
「だって、家族なんだもの」
その他
公開:18/11/08 19:35
家族
人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。
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