やたら声が大きい霊安室

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家族は霊安室に通された。
廊下に声が決して漏れ出ることはない。
身内だけになった安堵からか、家族の表情が崩れた。
口にハンカチをあて、うつむき、肩を震わせ、泣いているように見える。

が、口元は歪み、嗤っていた。
「うまくいった」
「自然死として扱われるから、保険は降りる」
「死んで、せいせいした」
「散々苦しめられてきたんだから、これくらいはいいよね」

特別製の霊安室は、室内の声を増幅して、隠し部屋に届ける作りになっていた。
家族の様子を不審に思い、事件性を感じた病院側が通報。
かけつけた警察が録音しながら、会話を聞いていた。
裁判でその音声データが使われることはない。
家族が霊安室でほくそ笑んでいる間に、警察は証拠集めに奔走した。
自然死を装った遺体が多く運び込まれる現状を憂いた病院が、警察に相談して誂えた部屋なのだという。
ホラー
公開:18/11/08 23:56
スクー

富田京子

400文字に収めることと、思いついたアイデアを形にするむずかしさに苦戦しております。
くすりと笑って頂けたら、幸いです。
よろしくお願いいたします。

画像をアップロードするのを失敗しまくりました_:(´ཀ`」 ∠):
いまだに、使いこなせておりません。
携帯を壊して、しばらくこれませんでした。
すみませんm(_ _)m

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