物語の切れ端
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窓の外には、秋の夕方の、赤紫と青とがくっきりと分かれた空が広がっている。
そんな景色を背景にしているからか、その窓には僕がいる室内の様子が、鏡みたいに反射して映っている。
天井に蛍光灯。
部屋の隅っこにある水槽と熱帯魚。
そして奥には部屋の扉。
ふと、窓に映る部屋の扉が少し開いた。
違和感を覚えて、室内の、ほんとうの扉を振り返る。おかしい、開いていない。
もう一度窓の方を見る。
一人の少年が、半身になって手をこまねいている。
一緒に出掛けようよ。あのときに落とした大切なものをもう一回拾いに行かなくちゃ。
少年の声が聞こえた。どこかで聞いたことのある声。懐かしい感じがして、立ち上がる。
急いで。この部屋の灯りが消えるまでに戻ってこないと、同じ世界には帰れなくなる。
その後彼は無事にこの部屋へと帰ってきたのだが、一体どんな世界を見てきたのか、水槽の中の私は知る由もない。
そんな景色を背景にしているからか、その窓には僕がいる室内の様子が、鏡みたいに反射して映っている。
天井に蛍光灯。
部屋の隅っこにある水槽と熱帯魚。
そして奥には部屋の扉。
ふと、窓に映る部屋の扉が少し開いた。
違和感を覚えて、室内の、ほんとうの扉を振り返る。おかしい、開いていない。
もう一度窓の方を見る。
一人の少年が、半身になって手をこまねいている。
一緒に出掛けようよ。あのときに落とした大切なものをもう一回拾いに行かなくちゃ。
少年の声が聞こえた。どこかで聞いたことのある声。懐かしい感じがして、立ち上がる。
急いで。この部屋の灯りが消えるまでに戻ってこないと、同じ世界には帰れなくなる。
その後彼は無事にこの部屋へと帰ってきたのだが、一体どんな世界を見てきたのか、水槽の中の私は知る由もない。
公開:18/11/07 19:02
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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