人形の秘密

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この街は坂の街と呼ばれる。緩い坂、急な坂、九十九折の坂、時には、まさか、こんなところにと言いたくなるような意外な坂もあるようだ。
この街の坂の上には一軒の老舗の人形店がある。
主にマネキンや子供のお人形を取り扱っているようだ。私は学校帰りにチラッと横切るだけなので詳しい事は知らない。
だが、ある時、店の前を通った時、店の奥に綺麗な等身大の人形を見かけた。ブロンドヘアーに青い目の人形がドレスを着て座っていた。それはもう生きている様だった。私は気になり、店主に話しかけた。
「あの~、あの奥の人形を見せて貰えますか。」
「いいですよ。好きなだけ見ていって下さい。でも、決して触らないで下さいね」
「うわぁ~、綺麗だな。それに笑顔が素敵だ」
私は一瞬でこの人形に惚れてしまった。その後も私は何度となくこの店を訪れた。
ある日、久しぶりに店に行って見ると店主は居らず、あの人形が出迎えてくれた。奥には
公開:18/11/08 10:57

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