大きなお友達

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満月の夜。私はベッドからこっそり抜け出した。大きすぎるベッドには、一緒に寝ている大きな友達が瞳を閉じていた。
私は月明かりが射し込む窓際の椅子に飛び乗った。正面のテーブルに置かれた鏡に自分の顔が写っていた。
フワフワの金髪に青い瞳。ピンクのリボンは眠ってる彼女とお揃いだ。
周りの大人から、お姫様は人形と遊ぶのが本当にお好きですねって言われてる。
人形なんかじゃない。私と彼女は友達なのに。
月を見上げてそんな事を考えていると寒くなってしまい、私はぶるっと体を震わせた。
そっとベッドに戻って、彼女の腕の中に体を潜り込ませた。小さな私の体は、彼女に抱きしめられるように腕の中に収まった。温かくて、少しビニールの匂いがする。

本当は、彼女は大きなお人形さん。

王様のパパが沢山の職人に作らせた私へのプレゼント。何も喋ってくれないのは少し寂しいけど、彼女は私の大切な友達。
明日は何をして遊ぼうかな。
その他
公開:18/11/08 08:51

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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