犯人になりがちなナイチンガール

オカマバンドのナイチンガールは、インディーズの頃からハードロックの怪物と呼ばれていたが、顔も怪物だった。彼、いや彼女らは、ド派手なナースの衣装で、変幻自在な曲調とパフォーマンスでファンを拡大し、やがて大手レコード会社と契約を結んだ。
ギターのナイチン種梨は、世界のロックスター、ボン・ヘイレンに賞賛され、さらにバン・ジョヴィには「俺がライトハンドならヤツはクレイジーハンドだ」と絶賛された。
しかし、ボーカルのナイチン筋谷は、悩んでいた。アーティストにありがちだが、曲数が増えると、他のアーティストと曲が被ってしまうことだった。
案の定、多くのロックバンドから曲を盗まれたと何度も犯人扱いされ「彼らこそコピーバンドだ」とマスコミからも愚弄されるようになった。筋谷は、そのたびに謝罪に行くのだったが、アルバムはバカ売れ。
しかし、そもそも「彼女に謝れ！」とナイチンゲールの崇拝者から怒りを買うのだった。