正義の味方

0
2

ここはごみ溜めの様な街である。
この街に暮らす住人は人間の屑、いや、ダニの様な奴らばかり。
窃盗、恐喝、殺人なんて日常茶飯事。
警察ですら「俺にも分け前をよこせ」と拳銃をちらつかせ日中、堂々と不正を働く始末だ。
そう、この街は腐敗しているのだ。

「どげんかせんといかん。俺が奴らを止めるばい」
俺は勇気を振り絞り、奴らの前に立った。
「君たち、こんな悪事はもう辞めるんだ」
「何だとお前なんかに言われたくない」
「君達、こんな生活を続けていても将来はないぞ。今からでも間に合う。真っ当な仕事に就いて人生をやり直すんだ」
「だから、お前には言われたくない」
「なんだと。俺はお前たちの事を思って言っているのに」
「だから、お前には言われたくないと言っているだろ。お前の様なゾンビに。」
「しまった。この街に長期滞在したせいで骨の髄まで腐りきってしまった。・・・ふっ、これじゃ、俺も奴らと同類か。」
公開:18/11/05 12:32
更新:18/11/05 12:35

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容