白馬の王子

今年こそ結婚したい。靖子はそう神に誓った。いや、神に願った。
少女の頃からずっと待っていたのは今でも本棚に並んでいる「キャ⚪ディ・キャン⚪ィ」のアンソニーみたいな白馬の王子様だ。絶対にどこかにいるはずだと、そう思い続けていたのだ。

神はずっと39年間彼氏のいない靖子を見守っていた。靖子の健気な願いを叶えてやりたいと思い、お気に入りの天使を呼んだ。

「靖子、神は願いを聞き入れた」

靖子はその時、天から神の声が響くのを聞いた。空を見ると、白い何かが降りてくる。（白馬？）


「Hi yasuko!私は天使。神の名を受けて靖子さんの白衣の医師になるようにやってきましたよ」
（白馬の王子違う、白衣の医師だ。しかも天使なのに50歳ぐらいの長髪で髭のオジサンだよ、ジーザス）
しかし、心優しい靖子は言い出せなかった。
こうして靖子は白衣の医師となった元天使と一緒になり、思いの外幸せな一生を終えた。